夏の本当の終わりから秋の始まりに胃袋が欲しくなるもの

器を作っているのだから、
毎年毎年、食器棚に何かしら茶碗がたまるのは当たり前。
いつまでも入れ放題というわけにもいかず、
いよいよ整理が必要になった。


皿、鉢、カップ、注器(どういうわけかやたらに多い)の類…。
要る物と要らないものを分けて、なんとか残しておきたいものを選ぶ。
その中で、ひときわ重量感あふれる器がある。
随分と前に作った長皿で、土物のざらっとした肌に銀彩で薔薇の実を描いた作品だ。
魚一尾がきちんとのるサイズなので、魚皿と言えるし、
変わり寿司やプチケーキも、正月料理を盛るのにも使える。

 

nagazara

 

しかしここ数年、食器棚の隅で出番のないままだった。
久しぶりに手にとって見てみると、頭の中にのせたい料理があれこれ広がってくる。
自分に宿る「本能の食育」に成果があらわれ始めた?

 

これにもそれにも(本当に)使える器というのは、たぶんそんなに多くはない。
実際に料理を作り盛ってみても、相性に疑問が残れば2度目の出番はない。

食べたいものとそれをのせる器の関係。
ずーっと、同じではいられない。
でも、これを食べるならこの器で、といつでも思えるものが作れたら最高だ。

 

夏の本当の終わりから秋の始まりに食べる
二種類の鳥手羽グリル

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何が欲しいかは、体に聞く。

熱を取るスパイスやハーブと疲れを回復させたいクエン酸、
そのくせ冷えの残る体を温めたい調味料とエネルギー増進の薬味も必要らしい。

 

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手前:温めの味付け、ニンニク、みりん、コチュジャン。

奥:熱取りの味付け、クミン、グリーンペッパー、ミント、塩レモン。

 

過去に作った器を振り返れば、
「ああすれば、こうすれば、、」の反省と手直しのくり返し。
それは「より魅力的な器を作る新しい目標」にもなる。

 

深まる秋、活発になってきた胃袋に導かれどこへ行き着くのか?
これからの季節を楽しみにしたい。